披露宴時間は「午後」が最強?遠方・子連れも安心な時間帯選びの正解

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「午前、午後、ナイト、どれがいいの?」と、式場見学の帰り道に頭を抱えていませんか?

プランナーさんは「どの時間帯もそれぞれ魅力があって素敵ですよ」と笑顔で言いますが、その言葉を鵜呑みにしてはいけません。なぜなら、ゲストの立場からすれば、「参加しやすい時間」と「正直迷惑な時間」は明確に分かれているからです。

特に、遠方からの親戚や小さなお子様連れの友人を招待する予定があるなら、時間帯選びは失敗できません。

この記事では、元大手式場支配人として2,000組以上の結婚式を見てきた私が、式場側の建前を排除し、ゲストの本音に基づいた「失敗しない時間帯」をズバリ判定します。また、どうしてもナイトウェディングなどの理想を叶えたい場合に、ゲストの不満を消すための「配慮のルール」も伝授します。


この記事の著者

高田 由美

高田 由美(たかだ ゆみ)
セカンドオピニオン専門ウェディングアドバイザー / 元大手式場支配人

業界歴15年。式場側の「売りたい事情」と新郎新婦の「やりたいこと」のズレを修正し、2,000組以上の「後悔しない結婚式」をサポート。式場の営業トークに惑わされる花嫁を守り、ゲストから「いい式だった」と心から言われる選択を促す、辛口だが愛のある姉御肌。


なぜプランナーの「どの時間帯も素敵ですよ」を信じてはいけないのか

式場見学で「ナイトウェディングも幻想的でおすすめですよ」「午前中は清々しくて人気です」と勧められ、「どれも良さそう!」と迷っていませんか?

はっきり言います。プランナーが「どの時間も素敵」と言うのは、空いている枠を埋めたいという式場側の事情があるからです。

もちろん、それぞれの時間帯に魅力があるのは事実です。しかし、その「魅力」の裏側には、必ずゲストにとっての「リスク」が潜んでいます。

例えば、幻想的なナイトウェディング。写真映えは最高ですが、遠方から来るおばあちゃんにとって、夜遅くの帰宅がどれほど体力を奪うか想像してみてください。あるいは、清々しい午前の式。新婦の友人は、美容院に行くために朝5時に起きなければならないかもしれません。

私が支配人時代に見てきた中で、最も心が痛んだのは、新郎新婦が満足げに退場した後、ロビーでぐったりしている高齢のゲストや、寝ぐずりする子供を抱えて必死にあやしている友人の姿でした。

「素敵」という言葉の裏にある、ゲストのリアルな負担(終電リスクや寝ぐずりリスク)に目を向けること。 それが、後悔しない時間帯選びの第一歩です。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 「自分たちがどうしたいか」の前に、一度「ゲストのタイムスケジュール」を紙に書き出してみてください。

なぜなら、多くのカップルは「披露宴の2時間半」のことしか考えていませんが、ゲストにとっては「家を出てから帰るまで」が結婚式だからです。その半日以上の拘束時間を想像できたとき、選ぶべき時間は自然と決まってくるはずです。

ゲストの本音で判定!遠方・子連れにベストな「午後スタート」の理由

では、具体的にどの時間がベストなのでしょうか?

結論から言えば、遠方ゲストや子連れゲストへの配慮を最優先するなら、「午後スタート(13:00〜14:00開始)」が最強の選択肢です。

なぜなら、披露宴時間(午後)は、遠方・子連れゲストにとって最も負担が少ない「親和性(ベスト)」の高い時間帯だからです。

以下の図解を見てください。ゲストの1日の動きを比較すると、午後の余裕が一目瞭然です。

ゲストの1日タイムライン比較(午前・午後・ナイト)

1. ゲストの負担が一目瞭然!時間帯別タイムライン
2. 午前式(10:00挙式):
– 06:00 起床・ヘアセット(早い!)
– 14:00 解散(午後は暇?)
3. 午後式(14:00挙式):
– 09:00 起床(ゆっくり)
– 11:00 移動・ランチ
– 18:00 解散(日帰り余裕)
4. ナイト式(17:00挙式):
– 12:00 準備開始
– 21:00 解散(遅い!子連れは限界、遠方は宿泊必須)

午後式のメリット:

  1. 朝がゆっくり: 女性ゲストも美容院に行きやすく、子連れも朝のバタバタを回避できます。
  2. 日帰りが可能: 遠方ゲストも、お昼頃に到着し、夕方には帰路につけるため、宿泊の手間がありません。
  3. 二次会への接続: 披露宴後、そのまま二次会へ移行しやすい時間帯です。

ゼクシィ結婚トレンド調査などのデータを見ても、午後開始の披露宴が最も多く選ばれているのは、この「ゲストへの優しさ」が理由なのです。

それでも「ナイト」や「午前」がいい!不満を消すための「免罪符」テクニック

「午後の良さは分かった。でも、どうしてもナイトウェディングの雰囲気が諦められない!」
「希望の日取りだと、もう午前の枠しか空いていない…」

そんな場合もあるでしょう。理想を諦める必要はありません。ただし、不便な時間帯を選ぶなら、それを相殺する「免罪符(配慮テクニック)」を用意することが絶対条件です。

ゲストの不満は、「配慮がない」と感じた時に爆発します。逆に言えば、先回りして配慮を示せば、不満は「感謝」に変わります。

以下の表を参考に、必ず対策を講じてください。

時間帯別ゲストの不満ポイントと必須の配慮リスト

時間帯 ゲストの不満ポイント(本音) 不満を消す「必須の配慮(免罪符)」
ナイトウェディング
(17:00以降開始)
「帰りが遅くて翌日の仕事が辛い」
「子供が眠くなってグズる」
「終電に間に合わない」
①翌日が休日の日程を選ぶ(必須)
土曜の夜や、祝前日が鉄則です。
②宿泊費またはタクシー代を全額負担
遠方ゲストにはホテルを用意しましょう。
③子連れへの事前確認
「遅くなるけど大丈夫?」と個別に連絡し、休憩室を用意する。
午前式
(10:00以前開始)
「朝早すぎて美容院が開いていない」
「遠方だと始発でも間に合わない」
①前泊の手配・費用負担
遠方ゲストには前日の宿泊を用意します。
②式場での着付け・ヘアセット手配
ゲストが自分で美容院を探す手間を省きます。
仏滅・平日 「なんでこの日?休みを取るのが大変」
「縁起が気になる」
①お車代を多めに包む
有給を取って来てくれた感謝を形で示します。
②親族への事前根回し
縁起を気にする親世代には、事前に理由(記念日など)を説明しておきます。

特にナイトウェディングと「翌日が休日」という条件は、切っても切れない関係(必須条件)です。日曜の夜にナイトウェディングを行うのは、翌日仕事のゲストにとって「嫌がらせ」に近い行為だと認識してください。

披露宴の所要時間は2.5時間。延長リスクとスケジュールの組み方

最後に、当日のスケジュールについて触れておきます。

一般的に、披露宴の所要時間は2時間30分です。挙式(約30分)や受付、移動を含めると、ゲストの拘束時間はトータルで約3時間半〜4時間になります。

ここで注意したいのが、「詰め込みすぎによる延長」です。

お色直しを2回したり、余興を3組入れたりすると、あっという間に時間は押してしまいます。披露宴が3時間を超えると、ゲストは疲れてきますし、遠方ゲストは帰りの新幹線に乗り遅れるリスクが出てきます。

「ゲストと話す時間を確保する」ためにも、演出は厳選し、歓談の時間をたっぷりとることをおすすめします。それが、結果としてゲストの満足度を高めることにつながります。

よくある質問(FAQ)

Q. 二次会をするなら、披露宴は何時開始がいいですか?

A. 午後(13:00〜14:00開始)がベストです。
16:30頃にお開きになれば、18:30頃から二次会をスタートでき、ゲストも待ち時間が少なくスムーズです。午前式だと待ち時間が長すぎ、ナイト式だと二次会開始が21時を過ぎてしまいます。

Q. 親族紹介は披露宴の何分前に行われますか?

A. 一般的には挙式の前に行われます。
挙式開始の45分〜60分前に親族集合となることが多いです。つまり、午前10時挙式の場合、親族は9時には集合しなければなりません。親族に遠方の方がいる場合は、この集合時間も考慮して宿泊手配をしましょう。

Q. お開き時間が押してしまい、ゲストが途中退席しそうです。どうすれば?

A. 事前にプランナーに伝え、出口に近い席にするなどの配慮を。
もし当日押してしまった場合は、司会者から「お時間のある方はごゆっくり…」とアナウンスを入れてもらいつつ、急ぐゲストにはスタッフが個別に声をかけ、目立たずに退席できるよう誘導してもらいましょう。


まとめ:迷ったら「午後」が安全。理想を通すなら「配慮」とセットで

結婚式の時間帯選びに、絶対の正解はありません。しかし、「ゲストへの配慮」という視点を持てば、失敗しない選択は可能です。

  • 迷ったら「午後」: 遠方・子連れゲストにとって最も優しい黄金タイムです。
  • 理想を通すなら「配慮」: ナイトや午前を選ぶなら、宿泊費やお車代といった「免罪符」を必ずセットにしてください。

まずは、招待したいゲストの顔ぶれを思い浮かべてみてください。遠くから来てくれるおじさん、小さなお子さんを連れてくる友人。彼らが笑顔で「いい式だったね」と言って帰っていく姿を想像できたとき、あなたが選ぶべき時間は自然と決まるはずです。

あなたの結婚式が、ゲスト全員にとって心地よい時間になることを心から応援しています。


参考文献

 

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